「かわいい」デザイン

アートディレクターの大橋です。

仕事で「かわいい」ものを描く機会がありますが
「かわいい」ものは描くのは勿論、見るのも大好きです。
幼少時、実家にあった内藤ルネの陶器の人形群と水森亜土グッズと
購読していた「こどものとも」(「かがくのとも」)、「キンダーブック」の
影響が大きいようです。

現在、自分の中に「かわいい」の伝道師がいます。
藤城清治
柿本幸造
鈴木悦郎
遠く及ばない存在、憧れの3人です。

藤城清治
多分、生まれて初めて好きになったキャラクター「ケロヨン」の
生みの親でもある影絵作家の氏のみが唯一存命で私的には非常に残念。
あのエネルギッシュな制作姿勢は感動します。
抜き身の安全剃刀を素手でズバズバと絵を仕上げていく、ホントすごいです。
猫のいるアトリエも印象的。
所有の画集の中から2冊。

book01
藤城清治作品集―愛を謳う光と影(美術出版社)

book02
藤城清治光と影の奇蹟(美術出版社)

book03
以前クライアントのアートプリントジャパン様のショップで購入した栞。
ケロヨンとこびとがかわいい
(c) 2012 Seiji Fujishiro /HoriPro

柿本幸造
去年がちょうど生誕百周年(1998年没)だった柿本幸造氏、
私的に暖かさナンバー1の童画家で「どんくまさん」シリーズが有名。
個人的にはシリーズのなかで「じゃむ じゃむ どんくまさん」がお気に入り。
全編暖色の暖かみ満載の作品は私の絵本コレクションの中でも
装丁含めて大好きな1冊です。
「しゅっぱつ しんこう!」もお気に入りの1冊、動物と人間の共存表現が絶妙。
所有の絵本の中から2冊。

book04
じゃむ じゃむ どんくまさん (蔵冨 千鶴子 作、柿本 幸造 絵/至光社国際版絵本)

book05
しゅっぱつ しんこう!(三田村 信行 作,柿本 幸造 絵/小峰書店)

鈴木悦郎
2013年に亡くなった鈴木悦郎氏 画家、イラストレーター。
氏より生み出されたものを見るにつけ
全ての「かわいい」は既に完成されていたのでは?と思ってしまう完成度の高い、
文句のつけようが無いものばかりです。
しかし入手できるものが殆どないのが残念です。
装丁やファブリック、雑貨など様々なデザインも手掛ているので
ある意味一番の目標の存在かもしれません。

book06
鈴木悦郎—詩と音楽の童画家 (野崎 泉/河出書房新社-らんぷの本)

現代に乱立する「かわいい」は本来の「可愛い」とはズレていると
思ってますが三氏のそれは「本来の可愛い」を体現した物だと
私は思います。
アナログとデジタルというのもあるかもしれませんが
それはまた別の話し。

仕事で「かわいい」を表現する送り手である私として
常にお手本にしたい憧れの三氏です。
少しでも近づきたいものです。